交渉に有効な心理学~その①返報性の原理~

仕事でもプライベートでも毎日ちょっとした交渉が発生しています。
仕事では、取引先のサービスをできるだけ安い値段で買う、競争相手に戦略的に勝つ、顧客にできるだけ高い値段でサービスを売る、などとても分かりやすいものが多いです。
私生活では、奥さんと旅行先を決める、恋人をライバルと争う、約束を守ることで友人から信頼を得る、など少し交渉というイメージから離れたものも含むかもしれません。
今日は上記のいずれの場合も有効に働く心理学的な手法を書籍「影響力の武器 第三判(誠心書房)」Simplicity | 内部SEO施策済みのシンプルな無料WordPressテーマを参考にしながら数回にわたって紹介したいと思います。
交渉に有効な心理学の原則は全部で6つあります。返報性、一貫性、社会的証明、好意、権威、希少性です。今日は返報性について詳しく解説したいと思います。

返報の原理とは

Wikipediaで調べてみると「人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。」と書いてあります。ビジネスマンならばよく聞く言葉と思います。施しを受けた時の「すみません」という言葉は、これでは「済みません(のでこちらからのお返しがあります)」という意味合いがあります。対象となるのはお金やモノだけではなく、行為・言葉がけや時間など、形にならないものも含まれる点がとても複雑で面白いところです。

返報性の原理が成り立つ条件は

初めて知り合った相手が、暑い夏の日にコンビニでジュースを買ってプレゼントしてくれた場合、関係性が構築されていない状態であってもあなたは相手に恩を感じます。この手法を採用しているのが、アムウェイなどのネットワークビジネスの集団です。試供品を渡したり、カフェでコーヒー代を出すなどの手法です。
また、街中で変わった格好をした宗教団体が書籍や本をプレゼントしてくることがあります。押し付けに近い形であっても、プレゼントをあげる方法を採用してから寄付金額が増えたという事例があります。アメリカ国内と外国に321か所もの支部境界を持つに至ったクリシュナ協会が一つの例です。
このように返報性の原理は相手との関係性がない状態や、相手への好意がない状態でも働く点に注意が必要です。施しを受けることで、自身の意思決定を狭められる危険を感じたら早々に施しを拒否することで交渉を中立な状態に戻すことができます

返報性の原理は等価交換ではない

返報性の原理を理解するうえでは「返報性の原理が等価交換ではない」という事実に気づいておく必要があります。例えば、ものすごいのどが渇いている人にとっては、冷たい飲み物が今この瞬間にものすごく価値がある贈り物になります。翻って月末のノルマ達成が厳しい状態の営業マンにとっては、1件の成約がものすごく価値があるわけです。道に迷って待ち合わせに間に合わないと不安になっている人には道案内がすごく価値があり、エンストを起こした人はエンジンを動かしてあげることがものすごく価値があります。上記の事例をお金に置き換えれば、営業マンの事例以外は安価かゼロ円ですよね。営業マンは日常的に「目の前の人にとって価値のある贈り物」を上げることで、金銭的価値のある案件一件を勝ち取っている訳です。返報性の原理の非等価性を理解しておくことで、ビジネスにおける交渉を成功に導いていくわけです。

返報性の原理の怖いところ

返報性の原理の「恩義を受けたらお礼をする」というルールですが、受けた恩義が大きくなればなるほど、社会的な圧力がかかります。お礼をしないなんて非道徳である、恩知らず、たかり屋というレッテルを貼られてしまうというプレッシャーです。この点が返報性の原理の怖いところその1です。また、返報性の原理の怖いところその2として、相手を傷つけた気まずさなどマイナスの側面においてもお返しを送らないといけない気持ちになるという面があります。例えば、ご飯に誘われていつも断っているから優しくしなければ、、とかビジネスなら厳しい状態の営業マンの提案を断ってしまったから自身が契約する代わりに興味のありそうな友達を紹介してあげる、、などの事例です。これは断ることが不可避な場合でも発生する返報性のルールであり、一方的に返報性の原理に踊らされてしまうリスクがあります。

防衛策

「返報性の原理を悪用しようとしているかどうかを注意深く洞察すること」の一言につきます。関係性のない人間であれば最初の恩義を受け取らないという方法が有効です。恩義を受け取らざるを得ない場合は、受け取ったものの再定義をすることです。セールスの戦略ならば、受けたのは厚意ではなく戦略的手順第一波であるという感じで。返報性の原理の上記の側面を冷静に知覚することで読者の皆さんが優れた交渉力を身に着けていただければ嬉しいです。
※補足:私自身はビジネス以外では上記はほぼ意識しないようにしています。お酒が美味しくなくなりますからね、

※ビジネスにおける意思決定をスマートにしたい方は「影響力の武器」シリーズを読んでいただけるとよいと思います。

コメント

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